* 金裕美先生の韓国料理レッスン
2010/01/12 | Filed under おいしいもの | Tags .昨日,「おしゃれ工房」などに出演されている、金裕美先生の韓国料理1日レッスンに伺いました。
メニュはキムチ,キムチ鍋,魚介たっぷりのねぎ焼き(チヂミ)、それから干し柿のデザートです。
じつは、わたしは激辛が苦手。でも、金先生のキムチはあっさり味で辛くないと聞き,参加させていただいたのです。
金先生はソウル近辺のご出身とのことで、韓国では北へ行くほどうす味になるそうです。そして評判のキムチは、大根の千切りをくわえ、鯛醤やアミの塩辛のみでうまみを加えた,あっさり透明なお味で ほんとうにおいしかった。そのキムチで作るキムチ鍋のスープもまた、やわらかなうまみたっぷりの絶品でした。
お料理にはとにかくふんだんに野菜が使われ,また唐辛子も韓国産の「甘口」のものが使われていました。日本の鷹の爪のような、あのピリピリする辛みがなく、噛むとほんのりと甘みがあり、しばらくするとかすかに辛みが染みだしてくるような、奥行きのある味が印象的でした。韓国料理というと,つい焼き肉というイメージがありますが、じつは山菜料理や野菜料理など,植物性の食材を活かした料理法が、とてもゆたかだということです。
ちなみに,わたしたちはつい「チゲ鍋」と言ってしまいますが、ほんとうは「チゲ」は鍋料理とは少しちがうそうです。チゲは汁物の大皿料理をさしていて、たとえば、おでんを,大皿に入れてテーブルにサーブしたような感じのものが、正しいチゲだそう。日本で言ういわゆる「鍋料理」は「チョンゴル」とよぶのが正しいそうです。フムフム。
そして、余談ですが、先生にある本のコピーをおみやげにお持ちしました。
「野の花えほん」のために文献サーチをしていて、どうしても韓国語の植物名を知りたくて、でもハングル語が読めず困っていると、ご近所友達で京大の人文科学研究所におつとめのYさんが(Y先生とよぶべきかも)、人文研の蔵書から借りて来てくださった「鮮満植物字彙」という本です。昭和7年に刊行されていて、牧野富太郎さんも参照されていたらしい古い本ですが、日本語,ハングル語,中国語で植物名が記され,ローマ字で発音ものっているので、字が読めなくても読み方がわかるという素晴らしいもの。このように3つの言語で照らし合わすことのできる本は、現在でも皆無なので、ほんとうに信じられないくらい貴重な文献なのです。
700ページくらいもある本ですが、又貸しになってはいけないので、わざわざYさんにうちにお越しいただいて、一緒にコピーにおつきあいをいただいてしまいました。ずいぶん時間もかかって、そしてついおしゃべりの方に気がそれて、途中失敗してやり直したりして。
そんなこんなの大事な文献ですが、これを手にできた喜びを 金先生なら 共有してくださるにちがいない。と思い出し,もう一部さらにコピーをとりました。というのも、金先生もお料理や食材について韓国や日本の歴史と合わせて研究を重ねておられて、以前お会いした時に,韓国の山菜にする植物名と日本語名をなかなか照らし合わすことができなくて、とおっしゃっていたからです。その悩み,わかる!わたしはその逆方向の悩みなんですけれども、植物の写真だけでは、案外特定できなかったりするのですよね。(アンド わたしにはハングルが読めない)
それで昨日お料理教室の機会に、その本のコピーをお持ちしたら、すごーくよろこんでくださって、思わず二人で喜びのハグしてしまいました。(こんなこと だれかとしたかった)ピョンピョン飛んでもよいほど、それくらい この本はうれしい本なのです。
本のもつ力や意味って、ほんとうに大きいものです。Yさん、ありがとうございました!!
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