Archive for the ‘おいしいもの’ Category

* 野の花ごはん2

2012/01/27 | Filed under おいしいもの | Tags .

今月発売中のMOE(2012年2月号)に、「野の花ごはん 2」をとじこみの冊子として、掲載していただいています。

「野の花ごはん」を描き始めたのは、わたしたちにとって身近な山菜などを、じつは野生動物も同じように美味しいものとして好んでいるというのを知ってからです。

ふつう、植物と生き物の関係というと、昆虫が紹介されることが多く、その次には鳥ではないかと思います。

植物が入り口で、どんな動物がその植物を食べるかという話題は、今までまとまって読んだことがなかったので新鮮に感じ、まとめてみたくなったのでした。

昆虫や鳥は、人間とは、体の代謝の仕組みもかなりちがっていて、人間が食べられないようなものでも、食べています。でも、同じ哺乳動物の場合は、代謝も似ているので、わりと同じものを食べているのですね。

アイヌの猟師さんのお話を聞き書きした本「クマに会ったらどうするか」によると、アイヌの人の言い伝えでは、昔、クマなどが食べているものをマネして、人間も食べられるものをみつけたとか。「クマが食べてるから大丈夫だろう」と判断したそうで、なるほどな〜と思います。たぶん、そういうことは、アイヌの人たちの間だけでなく、世界中であったのではないかともおもいます。人間がひとつひとつ自分の体を実験台にするだけでは、こんなに幅広い食材を食用に採用するのは、簡単ではなかったでしょう。

そんなこんなで、「野の花ごはん」は、植物の紹介、それを食べる動物やいきものの紹介、そして、わたしたちが作れるお料理レシピがちょうど1/3ずつの内容になりました。そして、このページは、今度加筆、修正を大幅にくわえつつ、本にまとめさせていただける予定です。

料理研究家でもないので、料理のレシピが満載とは、おこがましい、という気も最初はしたのですが、考えてみると、わたしの作るご飯は、自分の料理!っていうようなものではなく、20年くらいの京都暮しで培った、「集合知」レシピによるものです。自転車で魚やお惣菜を運んできてくれる「山じゅう」さん(以前クーネルにも登場されていました)や、ご近所の方、そしてお店などで、教えてもらった下ごしらえのしかた、料理などが基本なので、それを形にしてのこすという意味で、お料理レシピにもスペースをじゅうぶんとっても良いかなと思いました。

また、担当の編集者の方も、じつはかなりのお料理上手、そして彼女とわたしの好きな料理の仕方が、たまたまとても良く似ていました。料理そのものはシンプルで、材料えらびや下ごしらえなどを、ていねいにする。というスタイルです。お互いの家に泊まりがけで訪ね、ご飯を作ってお互いにごちそうしたり、してもらったり、作り方の情報交換をしながら、ページを作っています。

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* やぎミルク

2010/08/06 | Filed under おいしいもの | Tags , .

岡山のルーラルカプリ農場さんが作っておられる、やぎミルクのヨーグルトとフレッシュチーズを注文してみました。臭みは全然なくて、ナチュラルなお味で本当に美味しい!

じつは今まで、やぎ乳というのは、「すごく臭い」というイメージでした。あの独特の臭みが好きな方もいらっしゃると思いますが、私は逆に全然駄目。フランスなどでよく遭遇するやぎチーズも全く食べられません。以前プラハに旅行したとき、有機食料品店で買ってみたやぎミルクもやぎヨーグルトも、あの独特の臭みのため一口もノドを通らず、結局中味はトイレに流してしまい(ヤギさん、本当にごめんなさい。)可愛いパッケージだけを持ち帰って、写真撮影に使ったりしておりました。

牛よりもずい分小型なやぎは家でも飼えるので、日本でも第二次世界大戦をはさんだ時期、食料の不足もあって、家庭でやぎを飼うということがわりと一般的にあったようです。お母さんのお乳が出ない時は、赤ちゃんにやぎ乳を飲ませたり、また子どものタンパク質補給源にしたり、最後は肉として食したり、ということで、たとえば私の母親などもヤギを家で飼ってたというのですが、あの臭いのあるヤギ乳を、本当に昭和前半期の日本人は、みんな飲めてたのだろうかと不思議に思ったりもします。

でも、この間からヤギの本などを読んでいると、ヤギ乳は本来そんなに臭いものではなく、ただヤギ乳に含まれるたんぱく質が、臭いを吸収しやすい性質があるのだそうです。なので、ヤギの体臭や、ヤギ小屋のにおいを吸い込んでしまうことから、あの臭みが生まれるのだとか。(だから、ふだんからヤギ小屋の臭いなどを嗅ぎ慣れていれば、全然においなど気にならないのかもしれないですね。ふだん複数の猫と暮らしている私が、猫のにおいなんて全然感じてないのと同じで)

このルーラルカプリ農場さんでは、搾乳のときにミルクが一切空気に触れない方法で、やぎのお乳を絞っていると書いてありまして、だとすると、あの臭いもないのだろうか?是非一度試してみたいと思って、通販でヨーグルトとチーズを注文してみたのでした。

届いて早速おあじをみてみると、なんと 本当にぜんぜん臭くない!!そしてすっきり、さっぱり、自然で上品なおあじです。乳酸菌もこだわって、デンマーク産のものを使用されているとのことなので、このお味の上品さはやぎ乳自体の美味しさの他、そのような「センス」からも生まれているのだと思いますが、とにかく これはもう私にとって、ひとつの大事件でした。

普通のやぎ乳の臭みを体験したことのない夫は、ヨーグルトもチーズも、普通の牛乳から出来たものとの違いは全然わからないようです。私はと言えば、まったく臭くないのだけれど、ヨーグルトもチーズも最後の後口に、かすかな「ヤギ的」風味があるように感じました。それは、臭いというのではなく、ほんとに良い意味でのかすかな「風味」。

牛乳とどこが違うのか全くわからないと言う夫に「ほらほら、ちょっとだけヤギの風味がするでしょ?!」としつこく誘導尋問すると、夫は「うーん 草の味?』。

そうか、もしかしたらこのヤギの風味というのは、牧草の味なのかもしれないな、とも思いました。

ルーラルカプリ農場さんは、行ってヤギと触れ合うことも出来るなど、かなり素敵な場所のようです。近いうちに、一度お邪魔してみたいと思っています。

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* 金裕美先生の韓国料理レッスン

2010/01/12 | Filed under おいしいもの | Tags .

昨日,「おしゃれ工房」などに出演されている、金裕美先生の韓国料理1日レッスンに伺いました。

メニュはキムチ,キムチ鍋,魚介たっぷりのねぎ焼き(チヂミ)、それから干し柿のデザートです。

じつは、わたしは激辛が苦手。でも、金先生のキムチはあっさり味で辛くないと聞き,参加させていただいたのです。

金先生はソウル近辺のご出身とのことで、韓国では北へ行くほどうす味になるそうです。そして評判のキムチは、大根の千切りをくわえ、鯛醤やアミの塩辛のみでうまみを加えた,あっさり透明なお味で ほんとうにおいしかった。そのキムチで作るキムチ鍋のスープもまた、やわらかなうまみたっぷりの絶品でした。

お料理にはとにかくふんだんに野菜が使われ,また唐辛子も韓国産の「甘口」のものが使われていました。日本の鷹の爪のような、あのピリピリする辛みがなく、噛むとほんのりと甘みがあり、しばらくするとかすかに辛みが染みだしてくるような、奥行きのある味が印象的でした。韓国料理というと,つい焼き肉というイメージがありますが、じつは山菜料理や野菜料理など,植物性の食材を活かした料理法が、とてもゆたかだということです。

ちなみに,わたしたちはつい「チゲ鍋」と言ってしまいますが、ほんとうは「チゲ」は鍋料理とは少しちがうそうです。チゲは汁物の大皿料理をさしていて、たとえば、おでんを,大皿に入れてテーブルにサーブしたような感じのものが、正しいチゲだそう。日本で言ういわゆる「鍋料理」は「チョンゴル」とよぶのが正しいそうです。フムフム。

そして、余談ですが、先生にある本のコピーをおみやげにお持ちしました。

野の花えほん」のために文献サーチをしていて、どうしても韓国語の植物名を知りたくて、でもハングル語が読めず困っていると、ご近所友達で京大の人文科学研究所におつとめのYさんが(Y先生とよぶべきかも)、人文研の蔵書から借りて来てくださった「鮮満植物字彙」という本です。昭和7年に刊行されていて、牧野富太郎さんも参照されていたらしい古い本ですが、日本語,ハングル語,中国語で植物名が記され,ローマ字で発音ものっているので、字が読めなくても読み方がわかるという素晴らしいもの。このように3つの言語で照らし合わすことのできる本は、現在でも皆無なので、ほんとうに信じられないくらい貴重な文献なのです。

700ページくらいもある本ですが、又貸しになってはいけないので、わざわざYさんにうちにお越しいただいて、一緒にコピーにおつきあいをいただいてしまいました。ずいぶん時間もかかって、そしてついおしゃべりの方に気がそれて、途中失敗してやり直したりして。

そんなこんなの大事な文献ですが、これを手にできた喜びを 金先生なら 共有してくださるにちがいない。と思い出し,もう一部さらにコピーをとりました。というのも、金先生もお料理や食材について韓国や日本の歴史と合わせて研究を重ねておられて、以前お会いした時に,韓国の山菜にする植物名と日本語名をなかなか照らし合わすことができなくて、とおっしゃっていたからです。その悩み,わかる!わたしはその逆方向の悩みなんですけれども、植物の写真だけでは、案外特定できなかったりするのですよね。(アンド わたしにはハングルが読めない)

それで昨日お料理教室の機会に、その本のコピーをお持ちしたら、すごーくよろこんでくださって、思わず二人で喜びのハグしてしまいました。(こんなこと だれかとしたかった)ピョンピョン飛んでもよいほど、それくらい この本はうれしい本なのです。

本のもつ力や意味って、ほんとうに大きいものです。Yさん、ありがとうございました!!

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* 焼き茄子

2006/08/31 | Filed under おいしいもの | Tags .
気がつくと、京都でも朝晩ずいぶん涼しくなりました。
それにしても、最近、つい焼き茄子ばかり作ってしまいます。焼き茄子って、本当においしいですよね。普通に薬味とお醤油、ごまなどをかけて頂いてもおいしいですが、たとえば肉じゃがとか、菜っ葉とお揚げさんをさっと煮たような煮物に入れても香ばしくてとってもおいしいです。
わたしは、焼き茄子を直火で焼きます。というか、焼き茄子はやっぱり直火に限ると思ってしまいます。結婚したばかりの頃、始めてわたしが焼き茄子を焼いている所を目撃した夫はびっくり仰天していましたが・・・ガスコンロで燃えている炎に、じかに茄子をくべるわけですから、見慣れてない人には、確かにちょっと驚きかもしれないですね。
こんがりと焼けた茄子の皮を流し水で洗うのも楽しいです。きれいに皮がむけると嬉しかったりして。

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