* Rue de Renneという生地

2011/01/07 | Filed under リネン | Tags .

LINNETで’Rue de Renne’というなまえで販売している、定番のリネン生地。

今度から、日本国内で織ることになり、先日出来上がってきたのを さわってみて、ひさしぶりに リネンの生地にドキドキしました。

すこし厚地で、織り密度がやや高く、しっかりしているけれども しどけないリネンの質感もある、わたしにとって「これがリネンというものだ」と もっとも感じる、 いちばんベーシックなリネン。

このタイプのリネンに、わたしがはじめて出会ったのは、パリのレンヌ通りに昔あった、小さなメルスリーでした。

表にワゴンにのせてハギレが売られていて、そのなかに、こういうリネンがあったのです。

もう、16〜17年も前になるでしょうか。そのころは、日本国内では、リネンの生地というものが ほとんど流通しておらず、こんなベーシックなリネンの生地さえも、わたしにとってはめずらしいものでした。

素朴だけど、何となく高級感も感じるリネンの質感というものに、深く心を奪われたのは、そのとき その生地に出会ったのがはじまりだったとおもいます。リネンのもっている矛盾した2面性、粗野な感じと、エレガントさという、相反するものが同居している感じに 心のなかの深いところで 刺激されました。それは、たとえば文学とか絵とかに受ける刺激とほとんど同じ刺激だったとおもいます。

そのとき買い求めたその生地は、長い間引き出しにストックして、サシェとか、ティーマットのような小物づくりに、チビチビ使いました。

LINNETをはじめて、同じクオリティの生地が絶対ほしいとおもいました。最初は、たしかリトアニアからの輸入、そのあとは、ベルギーから輸入していました。そして、生地には、最初にそのリネンに出会った思い出の場所、Rue de Renneというなまえをつけました。

今回,日本で織ることになったRue de Renneは、織り段階からわたしたちの微妙なこだわりを、スパイス的に入れ込むこともできたので、わたしにとっては ほぼ完璧な質感が実現されています。

ちなみに、その小さなかわいいメルスリーは、その後大きくなって、今はマレ地区にあります。最近はよく雑誌にも紹介されていて、Fではじまる名前。。。(忘れたので、また思い出したら書きます。パリに詳しい方なら、みなさんご存知だとおもいますが)



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