* 世界はアレゴリーに満ちているから

2009/04/10 | Filed under 生活 | Tags .

冬の間は、どうなることかといつも思うのですが、春のこの時期になると、何もしなくても庭の植物が自然に芽吹き、1年でいちばん美しい季節をむかえます。小さな中庭のすみっこの、まったくの日陰に植えているアケビも、たくさん花をつけてくれました。

毎年庭の小さな自然を眺めていると、人の世界に起こることと、よく似ているので不思議な気持ちになります。たとえば、はびこりすぎた古い枝をばっさり切って整理すると、下の方から若くて元気の良い芽がのびてくるとか。同じ植物ばかりが増えすぎた群落は、キャパを超えると、いっきに群落ごと枯れるとか。

こんなふうに何かを何かに喩えるのを「アレゴリー alegory=寓話,比喩」と呼ぶようです。以前養老孟司さんの本で読んだのですが、人間は大脳が発達したので、外界を直接認識するだけでなく、余った大脳で「アレゴリー」を生み出すようになったのだとか。原始的には、丸い石を見て、りんごを連想するようなことから、だんだんに脳の働きが複雑になり、複雑なアレゴリーを生み出すようになったそうです。つまり、植物を見て「人の生き方に似ているなあ」と思ったりするのは、人間の大脳の働きだということです。

つまりアレゴリーはヒトの頭の中にだけ作られているもの。でも、どうして世界にはこんなにもアレゴリーが満ちているのでしょう。そのようなことを、たまに考えます。宇宙には、何かひとつの大きな法則のようなものがあって、ヒトの大脳の中で、法則でつながるそれぞれの現象が、アレゴリーとして 串刺しのお団子のように並んでいる。。。そういうイメージが浮かんできました。これもアレゴリーなんでしょうね。

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