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* ふくちゃんとハナ蔵 1

2014/10/26 | Filed under | Tags , , , , .

↑左 生後2ヶ月  右 近影 17歳 のふくちゃん

うちの最長老猫、ふくちゃんは、今年2014年の101日で17歳になりました。

わが家の猫の中で、ふくちゃんだけは、ペットショップで買ってきたアメリカンショートヘアーで、血統書があるため、誕生日もわかっているのです。

その頃、猫や小型犬なら飼えるマンションに移って、子どもの頃からの夢だった「猫」飼いたい病にとりつかれた私。

ちょうど、友人が鴨川で拾った猫を飼い始めたという話を聞いていました。猫はトイレもすぐにおぼえるし、今は水洗トイレに流せる砂もあって、ものすごく飼いやすいと。

で、私も、捨て猫がいたら拾おうと思いましたが、そういう時に限って、捨て猫に出会いません。まだインターネットもなくて検索もできないし、、、

そんなこんなでペットショップを見てみました。1匹目の候補は、白いチンチラシルバーの子猫。すごく美人な猫でしたが、お手入れの大変な長毛種は、やっぱりちょっと。自分の髪の毛さえ、ろくに梳かさない私には、無理かな。

で、あきらめたあと出会ったのが、ふくちゃんでした。別のペットショップで、オスの兄弟と一緒にケージにいました。その時は、アメリカンショートヘアーなんて品種名も知らないくらい、猫に無知でしたが、ほとんど衝動買い。生後1ヶ月半、体重780gでした。名前の「ふく」は、私の祖母が、私が生まれたときに「福子」と名づけたがったのを両親が断ったというエピソードを聞いていたので、それにちなんでつけました。

↑うちに来たばかりのころ

家に動物が、それも子猫がいるなんて!その嬉しさ、楽しさは、言葉では言い表せないほどでした。そして、最初はブツブツ言っていた夫も、ふくちゃんがきたばかりの週は、毎日なぜか6時前に会社から帰って来たりして。。。

聞いていたとおり、トイレも一回でおぼえてくれました。でも、まだ猫を飼うのに慣れておらず、連れて帰ってからすぐにお風呂に入れて具合悪くさせたりして、申し訳ないことも多々ありました。

そんな慣れない世話のしかたでしたが、アメリカンショートヘアーの特徴なのか、個性なのか、すくすく育つふくちゃんは、とても陽気で、ものすごーく活発でした。誰にでもよくなつくし、何かを怖がるというところがほとんどありません。祇園祭の時の太鼓の音をはじめて聞いた時だけ、ベッドの下に隠れていましたが、それ以外はほとんど、怖いものなしのような感じです。

ベランダから隣の屋根に脱走して、カラスに狙われても懲りず、何度も脱走しようとし、一回は屋根から落ちたし、(でもめげてなかった)ベランダで雀を捕まえて家の中に持って入ってきたり。(室内が羽だらけになり、最後はこときれた雀が。。。しかたないので、近くの植え込みの土の中に埋葬しました)

さて、当時、私はイラストレーターの仕事をめいっぱいやっていて、ワンルームで小さな庭がついた仕事部屋を借りていたのです。どうしても庭が欲しかったのと、自宅は、長時間勤務の夫が徒歩10分で会社に行ける街中にしたので。。。そして、ふくちゃんを昼間はそこに連れていくことにして、それが日課になっていったのですが、避妊手術をした後(これがふくちゃんにはすごく負担で、ちょっと危ないことになりました)、2~3日家で留守番をさせていたら、仕事場に一緒に行くのを嫌がるようになりました。20分少々かけて車で移動していたのですが、とにかく車が嫌だったようです。

しかたなくふくちゃんは、お留守番してもらうことになりました。そうすると、昼間ひとりで寝てばかり、夜はエネルギーがあり余って大炸裂!それがだんだん大変になってきました。

夜、私たちが寝ていると、布団の上をぴょんぴょん、バサバサと激しく飛び回り、叩き起こされるのです。

それで、苦肉の索で、寝る時間までにふくちゃんにじゅうぶん楽しんで疲れてもらうため、リードをつけて散歩に行くことにしました。

しかし、猫の散歩も案外むずかしいものです。マンションの敷地内を歩くだけなのですが、犬の散歩のように、スタスタまっすぐ歩くわけではありません。塀にのぼってじーっとしたり、植え込みの中に入って、また、じーっとしたり。それを、待っていないといけないのです。しかも、夜の11時とか、そういう時間帯に。

当時私はまだ30歳すぎで、穴あきジーパンをはいて、ボサボサの長い髪をゴムで縛っているようなファッションでした。しげみに入って出てこないふくちゃんを、地べたに座って待っていると、自転車に乗ったおまわりさんがすーっと来て「こらっ、そこで何しとるんや!」と怪しい人扱い。「その袋何が入っとんのや?ちょっと見せてみ!」

手に持っていたのは、ふくちゃんがどうしても戻ってこないときに、呼び寄せるための煮干しを入れていた白いレジ袋ですが、シンナーか何かと間違われたようです。私は、30歳すぎのいちおうマトモな社会人であることを強く訴えるつもりで、ドキドキしながら、最大限の丁寧な態度で答えました。

「ご心配おかけしてすみません、私、このマンションの住民で、今、猫の散歩中なんです。これは、餌の煮干しです。」

袋の中を見せていると同時に、リードをつけたふくちゃんがしげみからガサゴソ出てきました。おまわりさんは納得してくれて、「ああ、猫の散歩でしたか。もう遅いですから、気をつけてくださいね!」と急に丁寧な言葉で言って、去って行きました。

この年になって警官に怪しまれるとは、情けない。トホホ。。。

そうかと思えば別の日、夫がマンションの理事会に出席したら、ある住民の女性が、

「この間、自転車置き場で、髪の長い不審な男が、ずっと立ってたんです!」

と訴えたそうです。夫は、「ピーン!」と来たと。つまり、それは私のこと。自転車置き場でも、たしかにふくちゃんが塀に登って、私はじっと立って待っていることがあるのです。それに私は背が165cmあり、うしろでゆわえたひっつめ髪は、当時の男の人に多かった髪型です。

そんなことが重なり、散歩してる姿が相当怪しく近所迷惑であることを自覚し、あきらめることにしました。でも、活発なふくちゃんはエネルギーを持て余して、毎日夜は大騒ぎです。ボール投げをしたり、猫じゃらしをしたり、遊んでも遊んでも、たりない感じ。

私たちはホトホト疲れてきてしまい、最終的な解決案として「遊び相手になる猫をもう一匹もらう」というアイデアが浮上しました。

(2につづく)

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