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* ふくちゃんとハナ蔵2

2014/10/29 | Filed under | Tags , , .

8月の暑い盛りでした。リビング新聞に、時々「子猫あげます」というのが載っているのを知っていたので、さっそく見てみると、いくつかあります。

その中で、電話番号から一番うちと近そうだったのが、その小さなお寺。事前に電話で相談してから、土曜日の朝、キャリーバッグをもって、夫婦で出かけました。お寺と棟つづきの家の中で、車椅子にのった、とても上品でやさしそうな老婦人と、家政婦さんが待ってくださってました。

生まれたての子猫4匹が、公園に捨てられていたのを小学生が拾い、猫好きで有名らしい、近所のこの老婦人を頼ってもってきたとのこと。そこで、老婦人が人工授乳で生後2ヶ月半まで育てたそうです。すでに一回目のワクチンも済んでいて、すごく猫を飼い慣れた方でした。

私は、じつは最初はメスをもらおうと思っていました。でも、みると、一匹だけいる三毛のメスは、警戒心が強く、ケージのすみっこに隠れています。こんなかんじだと、気が強いふくちゃんと一緒にすると、ちょっとかわいそうかもしれません。そして、老婦人も「今いる猫がメスなら、絶対、オスの方がいいと思いますよ。」

年が近いメス同士の同居は、なかなか難しいのだそうです。オスとメス、オス同士はわりと簡単なのだとか。

ほかの3匹はオスで、ケージのドアをあけると、ぱあっと飛び出て、私たちにじゃれついてきました。なんてフレンドリーなの。みんな細身で、子猫というより、ちょっと子猿っぽいけど。。

中で、まっさきに私のひざに乗ってきたのが、キジトラ白の子猫でした。ほかの2匹は全身キジトラ猫です。みんなかわいいけど、これもご縁かも?と思っていると、さらにそのキジ白子猫は、そこに置いた私たちのキャリーバッグに、自分から進んで入っていくのです。まあ、もう、これで決まりかしら。

老婦人は、「どうしても、今いる猫と合わなかったら、かわいそうなので、返してください。」と言いました。ほんとうに、子猫たちのことを大事に思っておられるようです。

そして、おみやげに、サイエンスダイエットの子猫用のカリカリと缶詰をくださいました。その子猫は、鼻の横にちょっと鼻くそ的な茶色いところがあるので、「ハナ蔵」と名づけました。そして、ハナ蔵は、家に着く頃には、すっかり私たちになついていました。

ハナ蔵 近影 16歳

今は5匹の猫が仲良く同居しているわが家ですが、ハナ蔵をもらってきたとき、はじめて「先住猫と新入り猫を仲良くさせる」という試練を経験しました。

そのとき事前に読んで調べていた本にも、先住猫が比較的若く、新入りが子猫であれば、通常うまくいくと書いてありましたが、とにかくはじめての経験なので、とても緊張していました。

さて、家について、まず、ハナ蔵を入れたキャリーをそのまま開けずに、リビングの真ん中に置いてみました。ふくちゃんは、いつものようにルルッと鳴いて(アメリカンショートヘアーは、ニャーと鳴かないようです)足元にすり寄ってきました。

でも、キャリーの前に来て、中に知らない子猫を見つけると、ゾワッと身体中の毛を逆立て、しっぽをたぬきのしっぽくらいにふくらませました。そして、鬼のような顔でシャーッ!!

さらにヴーーー!!と、まるでウシガエルのような低い声でうなっています。こんな怖いふくちゃんを見たの初めて。

すぐに一緒にするのは危ないから、最初は子猫をケージに入れておくべし、と聞いてケージも用意していました。それで、ハナ蔵をリビングのはしっこに置いたケージに入れて様子を見ることにしました。

ふくちゃんは、その日1日じゅう唸りっぱなし。夜になって、気分転換のために久しぶりの散歩に連れ出したら、楽しそうにはしゃいでいます。それでホッとしていると、塀の上に座って、急に不躾な乱入者の存在を思い出したのか、宙をみつめて、またうなっています。「思い出し怒り」をしているのでした。

2日にめになっても、ふくちゃんがずっと唸り続けたので、その次の日は、夫も私も、仕事中に空耳でその唸り声が空耳で聞こえました。こんなことで、2匹は仲良くなるのでしょうか。でも、チビでやせっぽちの子猫のハナ蔵に、もう情が移ってきてしまいました。おばあさんに返すなんて想像しただけで悲しくて・・・

悩んでいたら、3日めに入り、とりあえず、ふくちゃんは唸らなくなってきました。

なにか、いい方へ向かっているかも?

恐る恐る、ハナ蔵をはじめてケージから出すと、ハナ蔵はいきなり、ふくちゃんに甘えてぱあっとすり寄っていってしまいました。ずっと兄弟でダンゴになって暮らしていたので、1匹だけというのが寂しいのでしょう。でも、近寄ってきたハナ蔵に、ふくちゃんは大激怒。激しく威嚇して、バシッと猫パンチ。

ハナ蔵は、それくらいでは全然めげません。隙を見ては、近寄ろうとしています。

その姿は、とても健気でした。はたかれても、はたかれても、めげませんでした。とにかく、ふくちゃんに近寄りたい願望は全然衰える様子がないのです。

ハナ蔵が来てから1週間目、ふくちゃんは、なぜか、ハナ蔵の食べ残しをわざわざ食べるようになりました。最初は、お皿にさえも唸っていたのに。

それで、週末で私たちも家にいるので、とりあえず、ケージをやめてみることにして、ハナ蔵をついに室内で行動自由にしてみました。

ハナ蔵のために、屋根つきの別のトイレを置いたら、ふくちゃんは、ハナ蔵がトイレをしている間、入り口のところで待ち伏せし、でてきた所を追いかけて、猫パンチをします。いじめているような、遊びのような、微妙な感じ。

さらに2~3日がすぎると、ふくちゃんも、ハナ蔵に追いかけてもらいたそうに、走って逃げていくようになりました。でも、ハナ蔵は、まだ逃げるのに一生懸命で、そのことが飲み込めないようです。逃げていったふくちゃんは、ドアのかげから顔を出し、期待で目を見開いています。

そうこうするうち、ハナ蔵が、ふくちゃんのトイレで、ふくちゃんのウンチを必死で埋めたりしています。さらに2~3日後、2匹は、ついにちゃんとした追いかけっこをするようになりました。ハナ蔵はまだ1kg,ふくちゃんは3kg以上あるので、ハナ蔵は、追いつかれるとギャッと悲鳴をあげることもあります。ちょっと痛々しいけど、ふくちゃんのことはあまり怒らないようにして、ご飯もふくちゃんに先にあげて、なんでも、とりあえずふくちゃんを立てるようにしました。

追いかけっこをするころには、お互い、相手のトイレも自分のトイレも区別しなくなっていました。

そして、ふくちゃんも、「ハナ蔵がいると、なんだか楽しい」と思うようになってきたようです。ハナ蔵がきてちょうど2週間めくらいのころ、2匹はすっかり打ち解けていました。

ああ〜〜よかった〜〜〜(T_T) その2週間は、これまでふくちゃんと暮らした10ヶ月と同じ長さに感じられるほど、長かったような気がします。

さて、私たちの最初の目的、つまりふくちゃんの昼間の遊び相手ができたら、夜寝かせてもらえるようになるだろうか、という目的は達成されたのでしょうか?

答えはスーパー・イエス。昼間、私たちが留守の間、2匹がどうしてたのかはわかりませんが、並んで寝たり、時には遊んだり、とにかくふくちゃんも退屈しなくなったようです。夜は、4人(2人と2匹)で、ぐっすり寝られるようになりました。

さて、仲良くなったと言っても、ふくちゃんはプライドが高いので、自分が遊んでいる時にハナ蔵が割り込んでくると、気を悪くして、プイッと向こうへいってしまうこともあります。でも、2匹で激しい追いかけっこを1日に何度か必ずします。猫どうしでないと絶対できない、素早い動き。1匹飼いだった時には見たことのない、ふくちゃんの運動神経のすばらしさを見ることができました。

また、ふくちゃんは、ハナ蔵が寝起きに寄ってくると抱きかかえて舐めてあげたりもするようになりました。でも、おかえしに、ハナ蔵がなめようとすると、それはふくちゃんは嫌みたいです。

そうこうしながら、ハナ蔵の耳についていた黒い耳垢を、ふくちゃんは全部舐めて取ってくれたりもしていました。

今思い出すと、つまり、ハナ蔵がふくちゃんよりもだいぶ体が小さかった時は、ふくちゃんは、最低限の世話はやってくれていたのでした。ハナ蔵が、自分よりも大きくなってくると、だんだん鬱陶しがるようになり、やさしくなくなってきましたが。

ふくちゃんは冒険好きで、マンションのベランダから隣の屋根に脱走したり、とにかく外向的で前向き。あくまでも自分に正直で陽気なふくちゃんを見ていると、人間の私たちも、悩みごとなどでネガティブな弱気になったりするのがアホらしいと思えたりもします。それに対して、ハナ蔵はひたすら温厚で、ちょっと気弱な優しい弟キャラ。(去勢したから余計にそうなのかもしれませんが、、、)ただ、そのあと、新入りの銀次郎が来て、またその7年後にニャンカが来て、すずちゃんが来て、きよしが来て、というふうに年をとると共に子分も増えて、今ではずいぶん貫禄もついてきたと思います。

ふくちゃんは、ハナ蔵以後の猫には、かいがいしく面倒も見ないかわりに、自分の邪魔さえされなければ、新入りが来ても、お客さんの犬や猫がきても「勝手にどうぞ」という感じです。ただし、新入りが自分に対して生意気な時は、すかさずバシッと猫パンチをして、教育しますが。。。年とった今、ふくちゃん自身の気持ちは衰えていないものの、さすがに足腰は弱って、ヨボヨボ気味。小股でテコテコ歩き、高いところにはもう行けなくなりました。若い頃の運動神経では、うちの歴代の猫の中でNo1のふくちゃんですが、もう同じ動きはできません。でも、すずちゃんやきよしが仲間に加わると、子猫たちの動きをじっと眺め、つられて自分も体を動かしたくなるようです。すずちゃんが来た1昨年は、刺激を受けて、2年ぶりに庇を歩いてみたりもしていました。

うちは家族も夫と私だけ、とくに昼間は、たいてい私一人で仕事場にいます。結果、家の中はシーンとしていて、猫の好きなタイプの家だと思いますが、1匹だけだと刺激も少ないでしょう。やはり、若いときも年取ってからも、ほかの猫がいた方が、陽気で活発なふくちゃんにとっては楽しいようです。

そして、ハナ蔵の方は、ふくちゃんが自分に冷たくても、ずっと変わらずふくちゃんのことを大好きです。はじめに2匹が仲良くなったのも、ふくちゃんが根負けしたような感じ。

頼るもののない子供のときは、そばにとりあえず大人がいたら、どんな大人でも頼ろうとして寄っていくという部分はあるのかもしれません。(すずちゃんの場合は、大人猫に攻撃を受けて噛まれた経験をしていたので別でしたが)

でも、ハナ蔵の場合、自分がおとなになってからほかの子猫がきたときも、どの子猫のときも必ずその子猫が大好きです。ニャンカのときは、すでに人間でいうと15~6歳くらいの感じでしたが、赤ちゃんかわいがりとは別のかわいがり方でずいぶんかまっていたので、そのあとニャンカはハナ蔵にすっかりなついてしまいました。

単純な性格、といえばそれまでですが、こんなふうに、ただ一緒にいるからという理由だけで誰のことも大好きになれるって、意外とすごいこと。そういうメンバーがいるだけで、そのチームは、みんな幸せになり、よくまとまることができるのですから。

左から、ハナ蔵、鈴虫、ニャンカ、ふくちゃん

わが家が猫を多頭飼いできているのは、ひとえにハナ蔵のこのキャラに助けられてのことだと思います。こんな温和な優しい性格は、最初のお寺で、愛情たっぷりに育てられていた証なのかもしれません。

体はハナ蔵が家族の中で一番大きく、ちょっと太りすぎ。人間でいうとすでに80歳を超えている今も、6.8kgあります。すずちゃんときよしに慕われ、かなりハッピーな老後を送るハナ蔵おじいちゃんです。

ハナ蔵と子猫のすずちゃん

「鈴虫、そっちはあぶないぞ」
「おじいちゃーん、あそんで!!(ガジガジ)」「こらこら、もう寝なさい」
↑「きよしは僕に似てるなあ」

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* ふくちゃんとハナ蔵 1

2014/10/26 | Filed under | Tags , , , , .

↑左 生後2ヶ月  右 近影 17歳 のふくちゃん

うちの最長老猫、ふくちゃんは、今年2014年の101日で17歳になりました。

わが家の猫の中で、ふくちゃんだけは、ペットショップで買ってきたアメリカンショートヘアーで、血統書があるため、誕生日もわかっているのです。

その頃、猫や小型犬なら飼えるマンションに移って、子どもの頃からの夢だった「猫」飼いたい病にとりつかれた私。

ちょうど、友人が鴨川で拾った猫を飼い始めたという話を聞いていました。猫はトイレもすぐにおぼえるし、今は水洗トイレに流せる砂もあって、ものすごく飼いやすいと。

で、私も、捨て猫がいたら拾おうと思いましたが、そういう時に限って、捨て猫に出会いません。まだインターネットもなくて検索もできないし、、、

そんなこんなでペットショップを見てみました。1匹目の候補は、白いチンチラシルバーの子猫。すごく美人な猫でしたが、お手入れの大変な長毛種は、やっぱりちょっと。自分の髪の毛さえ、ろくに梳かさない私には、無理かな。

で、あきらめたあと出会ったのが、ふくちゃんでした。別のペットショップで、オスの兄弟と一緒にケージにいました。その時は、アメリカンショートヘアーなんて品種名も知らないくらい、猫に無知でしたが、ほとんど衝動買い。生後1ヶ月半、体重780gでした。名前の「ふく」は、私の祖母が、私が生まれたときに「福子」と名づけたがったのを両親が断ったというエピソードを聞いていたので、それにちなんでつけました。

↑うちに来たばかりのころ

家に動物が、それも子猫がいるなんて!その嬉しさ、楽しさは、言葉では言い表せないほどでした。そして、最初はブツブツ言っていた夫も、ふくちゃんがきたばかりの週は、毎日なぜか6時前に会社から帰って来たりして。。。

聞いていたとおり、トイレも一回でおぼえてくれました。でも、まだ猫を飼うのに慣れておらず、連れて帰ってからすぐにお風呂に入れて具合悪くさせたりして、申し訳ないことも多々ありました。

そんな慣れない世話のしかたでしたが、アメリカンショートヘアーの特徴なのか、個性なのか、すくすく育つふくちゃんは、とても陽気で、ものすごーく活発でした。誰にでもよくなつくし、何かを怖がるというところがほとんどありません。祇園祭の時の太鼓の音をはじめて聞いた時だけ、ベッドの下に隠れていましたが、それ以外はほとんど、怖いものなしのような感じです。

ベランダから隣の屋根に脱走して、カラスに狙われても懲りず、何度も脱走しようとし、一回は屋根から落ちたし、(でもめげてなかった)ベランダで雀を捕まえて家の中に持って入ってきたり。(室内が羽だらけになり、最後はこときれた雀が。。。しかたないので、近くの植え込みの土の中に埋葬しました)

さて、当時、私はイラストレーターの仕事をめいっぱいやっていて、ワンルームで小さな庭がついた仕事部屋を借りていたのです。どうしても庭が欲しかったのと、自宅は、長時間勤務の夫が徒歩10分で会社に行ける街中にしたので。。。そして、ふくちゃんを昼間はそこに連れていくことにして、それが日課になっていったのですが、避妊手術をした後(これがふくちゃんにはすごく負担で、ちょっと危ないことになりました)、2~3日家で留守番をさせていたら、仕事場に一緒に行くのを嫌がるようになりました。20分少々かけて車で移動していたのですが、とにかく車が嫌だったようです。

しかたなくふくちゃんは、お留守番してもらうことになりました。そうすると、昼間ひとりで寝てばかり、夜はエネルギーがあり余って大炸裂!それがだんだん大変になってきました。

夜、私たちが寝ていると、布団の上をぴょんぴょん、バサバサと激しく飛び回り、叩き起こされるのです。

それで、苦肉の索で、寝る時間までにふくちゃんにじゅうぶん楽しんで疲れてもらうため、リードをつけて散歩に行くことにしました。

しかし、猫の散歩も案外むずかしいものです。マンションの敷地内を歩くだけなのですが、犬の散歩のように、スタスタまっすぐ歩くわけではありません。塀にのぼってじーっとしたり、植え込みの中に入って、また、じーっとしたり。それを、待っていないといけないのです。しかも、夜の11時とか、そういう時間帯に。

当時私はまだ30歳すぎで、穴あきジーパンをはいて、ボサボサの長い髪をゴムで縛っているようなファッションでした。しげみに入って出てこないふくちゃんを、地べたに座って待っていると、自転車に乗ったおまわりさんがすーっと来て「こらっ、そこで何しとるんや!」と怪しい人扱い。「その袋何が入っとんのや?ちょっと見せてみ!」

手に持っていたのは、ふくちゃんがどうしても戻ってこないときに、呼び寄せるための煮干しを入れていた白いレジ袋ですが、シンナーか何かと間違われたようです。私は、30歳すぎのいちおうマトモな社会人であることを強く訴えるつもりで、ドキドキしながら、最大限の丁寧な態度で答えました。

「ご心配おかけしてすみません、私、このマンションの住民で、今、猫の散歩中なんです。これは、餌の煮干しです。」

袋の中を見せていると同時に、リードをつけたふくちゃんがしげみからガサゴソ出てきました。おまわりさんは納得してくれて、「ああ、猫の散歩でしたか。もう遅いですから、気をつけてくださいね!」と急に丁寧な言葉で言って、去って行きました。

この年になって警官に怪しまれるとは、情けない。トホホ。。。

そうかと思えば別の日、夫がマンションの理事会に出席したら、ある住民の女性が、

「この間、自転車置き場で、髪の長い不審な男が、ずっと立ってたんです!」

と訴えたそうです。夫は、「ピーン!」と来たと。つまり、それは私のこと。自転車置き場でも、たしかにふくちゃんが塀に登って、私はじっと立って待っていることがあるのです。それに私は背が165cmあり、うしろでゆわえたひっつめ髪は、当時の男の人に多かった髪型です。

そんなことが重なり、散歩してる姿が相当怪しく近所迷惑であることを自覚し、あきらめることにしました。でも、活発なふくちゃんはエネルギーを持て余して、毎日夜は大騒ぎです。ボール投げをしたり、猫じゃらしをしたり、遊んでも遊んでも、たりない感じ。

私たちはホトホト疲れてきてしまい、最終的な解決案として「遊び相手になる猫をもう一匹もらう」というアイデアが浮上しました。

(2につづく)

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* ニャンカの話

2014/10/11 | Filed under | Tags .

うちには、今猫が5匹います。わが家の猫メンバーは、ふくちゃん(17歳)ハナ蔵(16歳)銀次郎(2012年、12歳で没)、ニャンカ(6歳)、すずちゃん(2歳)、きよし(1歳)。

今6歳になるニャンカは、今の家に引っ越してきた次の年に拾った子猫です。

うちには、お勝手口の外に小さな塀で囲まれた小さなスペースがあって、キッチンコートと呼んでいます。引っ越してきたばかりで、この近所にどれだけ野良猫がいるかを自覚してなかったわたしは、そこに時々生ゴミの袋を置いていました。

8月の終わり頃、その袋がめちゃめちゃに破られて、生ゴミ散乱!それが2〜3回立て続けにおきました。カラスが犯人?!と思ったのですが、ある日、夫が「小さな穴が2つ並んであいてる」。つまり猫?

それで、お勝手口の網戸からずっと観察していると、写真のような子猫がやってきました。小さいですが、1.8mくらいの塀を自力で上り下りできるので、生後3ヶ月半くらいかしら。シャムとトラの混血みたいな色です。目は青。

一目見て、「かわいい♡!今なら、もう一匹くらい飼えるかも。。。」と思ってしまったわたしは、生ゴミ食べるくらいなら、と餌でつることにしました。

生ゴミあさるくらいだから、誰にも餌ももらえてないし、空腹だったのでしょう。ドライフードを置くと、早速食べに来ました。最初は、わたしたちが見てるのがわかると逃げてたけど、すぐに慣れて平気になり、4~5日後には、お勝手口を開けて、触れるようにもなりました。そして姪の持ってたぬいぐるみによく似てたことから、そのぬいぐるみの名前「ニャンカ」をもらって命名。

それで、はじめて抱っこをした後、手がぶあ〜〜〜っと痒くなり、相当ダニがいることがわかりました。そういえば、毛もぺちゃっとしてる。。。それで早速フロントライン投与。首筋にほんの少したらすだけのノミダニ駆除薬です。フロントラインをした翌日、ニャンカの毛はふわっふわになっていて、もう触ってもかゆくありません。うちの家猫たちには、実際あまりノミダニがわいた経験がないので実感がありませんでしたが、フロントラインは相当効く薬のようです。

そんなこんなでノミダニ駆除もできたし、今考えれば、この時点で無理矢理家の中にひきこんでいれば良かったのですが、体の弱い銀次郎もいたし、今はとりあえずご飯だけは必ず食べに来るようになったので、もう少し網戸越しに他の猫たちと慣らして、獣医さんに連れてってワクチンもしてから、、、と考えたのが、ちょっと失敗でした。

↑ニャンカを調べるふくちゃん

もともと野良育ちのニャンカ、それからさらに数週間も外で暮らすと、すでに生後5ヶ月近くになっています。そうすると、お勝手口を開けて、中には入ってくるのですが、ドアを閉めると閉じ込められた気になるのか、大パニックを起こすのです。うーん、これはなかなか難しい、かも?

11月末、ニャンカと会ってから3ヶ月弱、ニャンカが推定生後6ヶ月になり、去勢手術もしました。これを機会に家の中のケージに入れて、家の中に慣れてもらおう、と思っていたのですが、夜、ケージの中で「出せ!」と大暴れ。かえって怪我でもしそうな勢いなので、しかたなく外に出してしまいました。真夜中に。。。もう帰って来ないんじゃないかと涙しながら。

でも翌日はちゃんと帰ってきたニャンカ。それからも、外に置いた段ボールハウスで暮らしていましたが、ときどき家の中に入れて、少しずつ室内の滞在時間を長くするようにもしました。1月頃からすごく寒くなると、家の中に泊まっていくこともふえました。その時は、ほかの猫たちに見つからないよう、ソファの下にかくれてました。でも、このままだと、飼い猫でも、昼間はお出かけする猫になってしまうかな?

それが、2月に入ったころ、ぶじに完全室内飼いになってくれたのです。

きっかけは、ニャンカが成長するにつれ、もともと町内にいたボス猫にいじめられるようになったことです。そのボス猫は、ニャンカのなわばりであるはずのキッチンコートにも侵入してくるようになりました。そうすると、もううちにも来られなくなって、2日くらい行方不明になることも何度かあり、もう2度と会えないのかとまた涙。

そのときも、2日姿が見えなくて、3日め。外でニャンカの大きな鳴き声がしました。見ると、ボス猫のいない隙にキッチンコートに戻ってきて、家の中に入ろうとしてドアによじのぼり、レバーをカチャカチャと触っています。そのレバーが動くとドアが開くというのを、すっかり学習しているんですね。

急いでドアを開けて、ニャンカを家の中に入れました。相変わらずソファの下に隠れて、ほかの猫たちが寝静まると、リビングをうろうろしています。もう2度とニャンカを外に出さない、と心に決めました。

ニャンカがソファに隠れていると、ふくちゃんと銀次郎は無関心。でもハナ蔵(じつは子猫の世話好き)は、興味があって、近づいてきます。ソファの下にいるニャンカが出て来ようとすると、バシっと猫パンチ。赤ちゃん猫であれば、無条件にすぐにかわいがるハナ蔵ですが、すでにニャンカは人間でいうと15〜16歳。なんていうか、つまりこの家での礼儀を教えているような感じです。そうやってソファの下でハナ蔵とバトルを繰り返しつつ、だんだんそれが遊びみたいになってきて、しかもニャンカはハナ蔵に「参りました」というような仁義をちゃんと切ったんでしょうか、だんだん仲良くなってきました。

↑最近のハナ蔵(左)とニャンカ

朝になると、以前のように出たい出たいと鳴いていましたが、出さないようにして、約1週間目、ことのほか出たいとうるさく鳴くので、お勝手口のドアの、上下にスライドして開くガラス窓をすーっと開けてみました。そうしたら、なんと、そこにニャンカをいじめるボス猫の顔がドーン!

ボス猫は、家の中の気配を聞いて、そこに待機していたようです。

それを見たとたん、ニャンカはくるっと踵を返し、家の2Fまでダーッと駆け上がって行きました。 思えば、それが、完全に、うちの猫になった瞬間だったかも。

それ以来、ニャンカは完全室内飼いの猫です。2歳くらいまでの間は、外を覚えていて、2回ほど脱走したこともありますが、すぐに帰ってきました。6歳になった今は、ベランダや中庭だけで満足しているようです。

↑うちの猫になったばかりの頃、中庭で。

それでも、この経験で、外で育った子猫を室内飼いにすることの大変さを実感しました。獣医さんでも、「よく完全室内飼いにできましたねー」と言われます。子猫を、どのみち拾うなら、1日も早い方がいいのです。野良暮らしがしみつくと、それだけで大変。。。(だから、去年現れたきよし君は、うちで飼うかどうかは後で考えることにして、2日目に保護しました)

でもその一方で、野良育ちでも、完全室内飼いにできるんだ!とも。

あとでご近所さんと話すと、ニャンカは、どうやらうちの裏のお宅の敷地内で生まれた子猫のようです。そのお宅の敷地は広くて、離れの裏の方は、薮のようになっています。ここなら、猫やイタチが繁殖してても、確かに人目につかないかも。。。そのお宅のご主人によると、子猫が生まれてたような感じだということで、お母さんはトラ猫で、そのうちいなくなったということでした。うちにはじめて来たころのニャンカは、お母さんに置いていかれたばかりだったのでしょうか。(野生の猫は、子猫がある程度育つと、そうやって子離れするようです)とにかく、ノミダニだらけで飢えて、人間の世話を受けていなかったことだけは確かです。

それから、ニャンカはたぶん、きょうだいのいない一人っ子だったようです。そのせいなのか、ほかの猫たちとは微妙に距離を保っています。捨て猫でもきょうだい揃って捨てられて、きょうだいと一緒に育ったハナ蔵やすずちゃんは、今も他の猫たちとのスキンシップが大好きで、寒い季節は年がら年中くっついて寝ていますが、そんな時でもニャンカは10cmくらい離れています。

↑奥がニャンカ、いっしょに寝るハナ蔵とすずちゃん(茶トラ白)とは少し離れてる。

それとともに、ニャンカは愛情表現が不器用で、わたしに甘えてくるのですが、けっこう強い力で噛みます。よく言われることですが、きょうだいのいない猫は、遊びの噛み加減がわからないまま大きくなるらしく、ニャンカはまさにそのタイプ。

でも、今、ニャンカと一緒に布団の上などにいると、当時のことを思い出します。こうやって、ニャンカと布団の上ですごすのが、あのときの私の夢だったな〜。実現した夢の中に、私いるんだわ。

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