2009/03/19 | Filed under
アート, リネン, 本 | Tags
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新しい本「いつものわたし、ナチュラルな服(文化出版局)」が出来上がりました。
表紙にもなっている、ピンタックいっぱいのドレス。アンティークのシャツを参考に、最初は肩幅を広く、肩が落ちるデザインで作りました。でも、自分で着てみると、なんだかすごく、太って見える。。。そして、細い方が着たとしても、ちょっと無駄に大きく見えそうな感じ。そう、思い直して、肩まわりをスッキリさせて、作り直したのです。アームまわりなどは、ゆったりととって、着心地よく。
見た目はスッキリ、でも着るとゆったり。それが、わたしの作りたい、自分で着たい服なのだな、と今回あらためて思いました。
スッキリといえば、p20のロールネックのワンピースも、首が長く、小顔に見えます。このワンピース、クラシックのポースレインブルーで作りました。モデルさんに着てもらったら、ものすごく似合っていて、思わずうっとり。。。そういえばここ数年、こういうちょっと大人っぽいワンピースを着ていないので、自分用にも作りたいと思っています。
LINNETのサイトやお店でも、たくさんのお問い合わせをいただいている、バラのコサージュの作り方も、「いつものわたし、ナチュラルな服」にご紹介しています。
新しい本、楽しんでいただけることを ねがっています。
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2009/01/20 | Filed under
アート, リネン, 本, 花 | Tags
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2009年になってもう半月以上が過ぎてしまい新年のごあいさつが遅くなりました。今年が皆様にとって、静かで穏やかな年になりますように。今年もどうかよろしくお願いいたします。
年末年始,ほとんどアトリエで仕事をしておりました。今年は,春に書籍が2冊ほぼ同時に刊行になります。大人服の本「いつものわたし、ナチュラルな服」と、「野の花えほん」です。
ほとんどこもりきりの毎日でしたが、時々は友人に会えたり,週末は夫と近所を散歩したりすることで、気分転換していました。いつもの散歩コースはだいたい2通り,糺の森を抜けて川べりから戻ってくる」か、その逆かどちらかです。落葉樹の多い森の中は,冬の方が光がたくさん射していて,木漏れ日がきらきらと小川にそそいでいます。
帰りに高野川を歩くと,鴨がいっぱい。きっともうすぐ雛が生まれるんじゃないかな。「野の花えほん」では高野川をイメージした風景も描きました。
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2008/12/10 | Filed under
アート | Tags
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北原白秋といえば,「この道」や「からたちの花」という唱歌の作詞者ですが,「にほんのうた」(第一集)というCDアルバムに,大貫妙子さんの唄う「この道」が収録されています。YouTubeでも見て聴くことが出来ます↓
http://jp.youtube.com/watch?v=A4-vMeCGDEQ
このアルバムには他にも坂本龍一+中谷美紀の「ちいさい秋みつけた」や,カヒミ・カリィの唄う「からたちの花」とか,三波春夫の唄う「赤とんぼ」,八代亜紀の唄う「証城寺の狸囃子」などが収録されていて,とても楽しめます。
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2008/12/02 | Filed under
本 | Tags
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来年の春に刊行される予定の本のために,春の間にしておいたスケッチ。今,このスケッチをもとに絵本の原画を描く作業を毎日つづけています。カレンダーもそうですが,絵本も一つのまとまりでボリューム感があるので,ひとつひとつ山をのぼって行く時のような趣きです。
絵本の中に引用した詩の掲載確認を編集部にお願いするために,原典になる本を引っぱりだして来ました。そのうちの一つは,上田敏「海潮音」(新潮文庫)。
改めて読み返してみると,ん〜〜良い感じで和みます。この詩集は,明治30年代の出版で,ドイツ,フランス,イギリス,ベルギーなどの詩を上田敏が選んで訳したものです。たとえば,収録の有名な詩のひとつは,ヴェルレーヌの「秋の日の ヴィオロンの ためいきの・・・」というもの。上田敏がその頃出始めていた新しい詩に深い精神性が欠けて表面的になりすぎていると考えて,彼の考えるその「精神性」がよく表現されている西洋の詩を紹介することで,問題提起をしたいと思って出版したそうです。
そして,あえて古風な七五調を使ったり,古語をあてはめたりして訳されているのは,内容の新しさを強調するために意図的にしたことだそうです。たしかに,わざと古風な訳になっていることで,「祇園精舎の鐘の声・・・」などと同じように聞こえるのですが,それだけに唄っている内容の違いが際立ちます。どこが違うというと,それまでの日本の古典ではなかったような,こまやかな心理描写などが唄われている点ではないかと思います。今となっては,ごく当たり前のようですが,それら外国の詩に唄われている内容の新鮮さ(当時の日本人にとっての)が,より強く伝わったのではないでしょうか。その後に出て来た北原白秋などの詩人に,大きな影響を与えた本だったそうです。
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2008/09/18 | Filed under
動物 | Tags
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ブログをお引っ越ししてリニューアルしました。
今月から週1回、大阪産経新聞夕刊で「リネンのものがたり」という連載をさせていただいています。金曜日が掲載日です。「リネンが好き」刊行から6年、リネンのことはもう書き尽くしたと思っていたし、この本の内容のその先は、かなりマニアックになってしまうし、と思っていましたが、6年もたつとまた新しく書きたいことが出てきました。
写真はこの間わが家にやってきたワンコ、「リッツ」です。
わんこのお客様は始めてだったので、うちの猫たちがリッツをいじめるのでは?とすこし心配していました。でも、初対面で鼻と鼻で挨拶し、あとは昼寝時間で眠かった猫たちは「じゃ、ごゆっくり」という感じで、めいめいの寝場所に引き上げて行って。。。リッツはまだ子犬、うちの猫たちはもう熟年なので、一緒に遊ぶという雰囲気ではありませんでしたが、安心しました。次はリッツに泊まりがけで来てもらいたい。
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2006/11/24 | Filed under
リネン | Tags
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LINNETで新しい色やデザインの生地やリネン糸を作ったとき、名前をつけるようになりました。
たぶん、品番だけでは間違えてしまうし、生地の織り方や単純な色名だけではなく、ひとつひとつの色やデザインを考えたときの思いとか、そういったものをこめて名前をつけたいと思ったのがきっかけです。その方が、きっとイメージをよりお伝えできるし、種類がすこしずつ増えても、わたしたちにとっても区別がしやすいからです。
今月は、オリジナルデザインのピートツィードのチェックを2種類アップしました。ブラックウォッチは、ベーシックなブラックウォッチだけれど、LINNETらしいひと味違うものを作りたくて、デザインを起こしたものですが、ブラックウォッチというベースがあるということでその名前を踏襲しました。ブラックウォッチというのは、スコットランドの警備隊のことなのだそうですね。サンドパイパーは鳥の名前で、日本では「イソシギ」と呼ばれています。イソシギは水辺にいるかわいらしい鳥で(でも小鳥というより、やや大きめ)、ひそかに動物&鳥図鑑を眺めるのが好きなわたしは、このチェックが出来上がったときに、迷わず「サンドパイパー」という言葉が浮かんできました。
プレーンなリネンや糸につける名前は、つい絵の中の色を思うときのような気持ちでつけるものが多くなります。今月の新しい色は「ヘザー」、heather、エリカとか、ヒースとか呼ばれる花の名前。日本でも鉢植えでおなじみです。いつも使う色鉛筆の中の、好きな色の中にこんな色があり、その色名が「ヘザー」だったから、この名前にしました。ヘザーは低木で、この間書いた「嵐が丘」という小説の舞台にもなったイギリスのmoor(荒野)と呼ばれる場所には、いっぱい自生しているのだそうです。わたしは、実際に自生しているのを見たことはないのですけれど、ヘザーの花は、ひとつひとつはもっと鮮やかな色です。でも、写真で見ただけなのですが、茶色い岩肌が所どころ露出している草原にヘザーの花が咲いているときに、こんなふうにスモーキーな渋い色に見えるように思います。このシリーズのリネンは、どうしてか実際に企画していたとき以上に、出来上がると品の良い色になります。発色がどことなく渋く、ほんとうにシックな雰囲気に仕上がるのです。ヘザーも、期待していた以上にすてきな色になりました。余談ですけれど、イギリスでは「ヘザー」は女性の名前としてもポピュラーみたい。ポール・マッカートニーの2番目の奥さんの名前もヘザー・ミルズさんでした。
グリーンのリネン糸には、草木の名前をやっぱりつけたくなります。エルダー(にわとこ)ホーリー(ひいらぎ)、それにルーはハーブの名前。鮮やかな青緑色の葉っぱがとてもきれいなミカン科のハーブです。ひとつひとつのリネン糸の色を眺めながら、草木の香りをおもいうかべます。
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2006/11/20 | Filed under
本 | Tags
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結局1ヶ月に一回しか更新できていないブログ状態・・・どうしてかフォントのサイズを変えるツール画面が消えて、どこに行ったかわからなくなったりして、まごまごしています。
この間、スタッフと子供のとき読んだ本の話になりました。前回、「こうさぎましろ」のことを書いたけれど、実際わたしの子供の頃は、今ほど絵本が豊富になかったような気がしますが、わたしよりもかなり若い世代のスタッフたちも、わりと同じ気持ちのようでした。そのかわり、お話の本みたいなのが今よりもずいぶんあったように思います。ゲームとかもなかった時代ですし、子供が家で退屈する時間も結構あって、ずーっと読んでいられる本は、それなりの需要があったのかもしれません。
わたしの家にあった本の中で、大きな場所を占めていたのは「少年少女文学全集」みたいな本。ほとんど大人向けと変わらない文章で、ただふりがなが多いような感じのものでした。その中にはスタンダールの「赤と黒」とかモーパッサンの「女の一生」とか、トルストイの「戦争と平和」とか、あとエミリ・ブロンテの「嵐が丘」なんかが入っていて、今あらためて考えると、子供の読む本の内容としては、セレクトがシリアスで重過ぎるのでは、と思うのですが、小学5〜6年の頃、結局それしか読むものがないので、読んでいました。今どきの小学生は、「チャーリーとチョコレート工場」とか、楽しそうなものをいっぱい読んでいるみたいなので、ちょっとうらやましい気がします。
正直言って、スタンダールとかモーパッサンなんて、今時仏文の大学生でも、あんまり読まないんじゃないかと思うんですがどうなんでしょう。「赤と黒」は、貧しくて出世欲に燃えた美青年が、家庭教師先のお母さんと不倫の恋をして、欲望と出世欲に翻弄されたあげくに破滅するというストーリーですし、「女の一生」は、ほんわかして苦労を知らない裕福な家庭で育った少女だった主人公のジャンヌが、恋をして結婚するけれど、夫は浮気ばかりして夢破れて・・・みたいなお話でした。そんなストーリーを小学生に読ませるって、どうなの?それに、時代背景がよくわからないから、「赤と黒」なんてそれほど理解できなかったです。でも、不思議なんですが、子供なりに何となく「このお話はなんだかすごい」とか、そういう事は感じてたような気がします。「このお話は、お説教臭いだけだな」とか、思ったりしていましたし・・・でも「戦争と平和」は長過ぎてどんなお話だったか、もう忘れてしまいました。
一番あとまで心に残ったのは、「嵐が丘」で、子供ながらに読んだあと強烈な印象を持って、おとなになってからも何度か読み返しました。「嵐が丘」などは、言ってみれば「文学のアンティーク」みたいなもので、そこに今の製品としてのものも売られているのに、なぜかアンティークのリネンのタオルとか、レースとか、洋服に惹かれるのと同じようなものかもしれません。いろんな角度から謎解きができたりして、構造が単純ではなく、時代を超えていく魅力があるような気がします。子供には重かったですが・・・
子供としては、当時一番好きだったお話は、「秘密の花園」だったかな、と思います。鍵がかかる花園=お庭というイメージがあんまりよくわからなかったけれど、なんだか惹かれました。そして、そこに「ぶどうパン」を持って行って食べるというシーンが大好きでした。ぶどうパンが好きでしたから・・・結局は食べ物!なんですね、きっと。。。
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2006/10/12 | Filed under
本 | Tags
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気がつくと もう季節が移り変わっています。
今日、MOEという雑誌の方と電話取材でお話をしました。わたしが推薦した、 クリスマスの贈り物にしたい絵本のことについて・・・
その中の1冊に選んだのは 「こうさぎましろのお話」です。
この絵本は ずいぶん、むかしからあるみたいなのですが、わたしが読んだのは大人になってから。たまたま甥っ子たちへのおみやげを探していて、子供のころ見たことがあった、懐かしくて落ち着いた感じのかわいい絵だったので、それほど内容を考えずに選びました。
そうしたら、ある一人の甥っ子は とくにこの本が気に入って、幼稚園の頃から くりかえし、くりかえし、わたしが会ったときには 必ずこの絵本を読んであげるということになりました。
何度も何度も読んで、わたしも 所どころ暗記するくらいになったのですが、何度読んでも、ふっと涙の出る箇所があります。そういう絵本は、わたしにとっては何冊かあって、悲しい涙が出るのではなく、心の中の 奥深いところにある何かに触れる箇所があるのです。
「こうさぎましろ」の場合、サンタクロースのおじいさんが「そうかい そうかい」と言って 主人公のこうさぎましろの言うことを やさしく、しずかに聞いてくれるシーンなのですが・・・
この部分を声に出して読むとき いつも目の奥が熱くなるのですが、今日も編集者の方とそのことを話しているだけで そんな気持ちになりました。
そのシーンに表れているのは 無条件で 相手を受け入れるということ、無条件で 相手の過ちをゆるすということ・・・そんなふうに感じます。
読み聞かせているわたしが そんなに感動しながら読んでいることに 甥っ子は気づいてなさそうなのですが、とにかく、 彼もこの絵本が大好き。そういうメッセージが根底にこめられているこの絵本の世界は、子どもにとって、 とてもあたたかく 安心できるんだろうな、と思います。
いつの日か、彼がおとなになったときに、この絵本のどんなところが そんなにも好きだったのか、彼から聞いてみるのが、今からたのしみです。
MOEのクリスマス特集、発売は11月かな。。。LINNETをご紹介くださるページに、絵本のことも載っています。とても素敵な写真も撮っていただきました。よかったら、みなさんご覧になってくださいね。
今日貼った写真は 今日の話題と直接は関係ないけれど ベルギーのフラックス・ミュージアムの入り口にあったマリア像の写真です。
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2006/08/31 | Filed under
おいしいもの | Tags
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気がつくと、京都でも朝晩ずいぶん涼しくなりました。
それにしても、最近、つい焼き茄子ばかり作ってしまいます。焼き茄子って、本当においしいですよね。普通に薬味とお醤油、ごまなどをかけて頂いてもおいしいですが、たとえば肉じゃがとか、菜っ葉とお揚げさんをさっと煮たような煮物に入れても香ばしくてとってもおいしいです。
わたしは、焼き茄子を直火で焼きます。というか、焼き茄子はやっぱり直火に限ると思ってしまいます。結婚したばかりの頃、始めてわたしが焼き茄子を焼いている所を目撃した夫はびっくり仰天していましたが・・・ガスコンロで燃えている炎に、じかに茄子をくべるわけですから、見慣れてない人には、確かにちょっと驚きかもしれないですね。
こんがりと焼けた茄子の皮を流し水で洗うのも楽しいです。きれいに皮がむけると嬉しかったりして。
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2006/08/26 | Filed under
リネン | Tags
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ワッフルと言っても、かなり平らで、模様織りみたいに見えたりしたものもあり、リネン100%っていうのは、あんまりワッフル織りには向いていないのかなと思ったりしていたのです。ワッフルならハーフコットン、またはコットン100%の方が、良さが出るのかな。そんなふうに思ってきました。
でも、今回、機屋さんが見せてくださった織り見本を見て、「これだ!」ということになり、織って頂くことになりました。今日の新着アップから、ご紹介をしています。密度の高い、しっかりめのワッフル織りです。ワッフルらしい凹凸感もばっちり出ていて、とくにマットにしたとき、足触りが最高な雰囲気です。コットンのワッフルに比べて重量感があって、床に落ち着きの良いのも魅力です。
ところで、この夏は、最終日になんとかギリギリ間に合って、見る事ができました。「藤田嗣治展」・・・
Foujitaって、何となく名前と、有名な2〜3枚の絵くらいは知ってるけど、あんまり詳しくは知りませんでした。と思っていたら、やっぱり今まであまり画集も出版されておらず、日本では展覧会もほとんどなかったのだそうです。京都では、日仏会館の1FのカフェがLe Foujitaっていう名前だったのですが、例えばそんな事くらいでしか、普段は思い出さないような、そんな感じですが、日本の外、とくにフランスではとても有名だったのですね。
とにかく現物の絵が見たい一心で、すごい人ごみをかきわけて、見て参りました。
うーん、見てビックリ。油絵のカンバスが、つるっつるで、テカテカと光っているのです。まるで、ほんとに陶器みたい。そして、丁寧に、繊細に描いてあります。「うまいねえ〜〜〜〜」と思わずつぶやくと、夫が苦笑してましたが、素朴な感想はそれでした。
素直に表現すると、藤田はとっても絵が達者な人。達者というと、妙に技巧に走っているというイメージもありますが、そういう事だけでなく形にも線にも表情と味わいもあって、技術も巧み。そして、あのテカテカのマチエールはすごい!綺麗!びっくり。どうも秘密の技法らしくて、今も謎らしいのですが、絵が工芸品だということを改めて感じるようなマチエールでした。
余談ですが藤田はとっても手が器用で、お裁縫も得意で、若い頃はファッション業界に進もうかと真剣に考えたこともあっとか。自分で縫ったという帽子やショルダーバッグも一緒に展示されていましたが、素敵でした。
今日の写真は、わたしが前に描いた絵です。ヘクソカズラです。ちょうど今の季節、空き地とかに生えている大好きな草です。
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